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伊首相のしぶとさに学べ [イタリア]

<記者有論> 朝日20110311 ローマ支局長 南島信也asahiminami.jpg

伊首相のしぶとさに学べ
「また辞めたの?」前原誠司外相の辞任劇に、友人のイタリア人記者があきれた様子で聞いてくる。 昨年、鳩山由紀夫前首相が辞任した際、この友人は興奮してまくしたてた。「なぜ辞めなければならないんだ。アメリカに『ノー』と言った初めての首相だぞ」…私が「国民との約束を守ることができなかったのだからしかたがない」と答えると、「約束を破ったら辞めなければならないとしたら、イタリアの首相は何回辞めなければならないと思う?」と笑われた。


ベルルスコーニ首相は1994年の就任以来、汚職、…17歳に対する売春など四つの刑事事件の被告となっているが、本人は辞める気などさらさらない。このしぶとさは一体どこから来るのか。

サラリーマン家庭で育ったベルルスコーニ氏が、一代でイタリア有数の企業グループを築いたことは知られている。メディア王で、サッカーの名門チームACミランのオーナー…。支持率は過去最低の30%にまで落ち込んだ。この30%が長年にわたってベルルスコーニ氏を支えている頑固な支持層と言える。…90年代になると成長が鈍った。そこで登場したのがベルルスコーニ氏だった。国民は政治家としてでなく、企業経営者としての経済再建の手腕に期待したのだ。だから私生活が乱れていようと関係ない。クリーンな政治を望んでいない。…菅氏は、ベルルスコーニ氏をかつて倒した中道左派の政治連合「オリーブの木」から政権収奪の方法を学んだ。